「東京からパリへはマイルで行き、帰りはロンドンから乗りたい」。そんな旅行でも、特典航空券を単純な往復にする必要はありません。片道ずつ予約したり、行きと帰りの都市を変えたりできます。乗り継ぎ地に数日滞在できる制度もあります。ただし、発券に使うマイレージプログラムと特典の種類で条件は違います。
まずは、希望する旅程がどのタイプかを見てください。この記事は国際線特典航空券を対象に、2026年9月に確認した各社の公式条件を整理しています。
| やりたい旅行 | 呼び方 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 東京→パリだけマイルで予約 | 片道発券 | 使うマイルで片道特典を取れるか |
| パリ着、ロンドン発で帰国 | オープンジョー | 往復1予約の地上移動条件。または片道2予約 |
| ヘルシンキに数日滞在してからパリへ | ストップオーバー | 途中降機の可否、対象便、追加マイル |

この記事で一番大切な区別:「パリ着・ロンドン発」は、往復を1件の特典航空券で組む方法と、片道特典を2件買う方法があります。後者なら往復1件のオープンジョー条件は適用されませんが、マイル数・手数料・変更条件はそれぞれの予約で確認が必要です。
【まず知っておきたい】行きだけマイル、帰りは現金でもいい?
はい。JAL国際線特典航空券は片道に対応しています。ANA国際線特典航空券も2025年6月24日以降の予約・発券分は片道で利用できます。帰りは別のマイルで取っても、有償航空券を購入しても構いません。ANAの「国際線特典は往復必須」という古い説明には注意してください。
注意したいのは、片道で発券できるからといって、必要マイルが往復の半分になるとは限らないことです。マイレージプログラムや特典の種類によって、必要マイルの計算方法は異なります。たとえばJMB提携航空会社特典航空券は、各区間の実マイル数を合計した「総旅程距離」と利用クラスによって必要マイルが決まります。そのため、JALマイルでエールフランス便を取る場合などは、片道2件に分ける場合と往復1件にまとめる場合で必要マイルが変わることがあります。「片道で取れるか」だけでなく、片道と往復で必要マイルがどう計算されるかも確認しておきましょう。
たとえば東京→パリをJALマイルで取り、帰国便をBAのAviosで取ることも、予約を分ける方法として考えられます。私自身、JALマイルでパリへの往路、BA AviosでJAL便の復路を発券した経験があります。ただしこれは別々の片道予約であり、1件のオープンジョー特典の利用実績ではありません。必要マイルと諸費用の考え方は夫婦2人でJALファーストクラスに乗った実費の記事で紹介しています。
別々の航空券を組み合わせるときは、片方の便を変更・取消しても、もう片方が自動で変更されるわけではありません。長い乗り継ぎを別予約で組む際は、この点も考慮しましょう。
【少し応用】パリに着いてロンドンから帰る「オープンジョー」
東京→パリ/パリからロンドンへは鉄道などで移動/ロンドン→東京。往路の到着地と復路の出発地が違う旅行を、オープンジョーと呼びます。パリ→ロンドンの移動は、発券した航空券に含まれない「地上移動区間」です。
往復を1件で取る場合、JAL自社便特典は旅程全体で1回の地上移動区間を設定できますが、地上移動距離や経路に条件があります。ANA自社便・ANA提携便にもエリアや地上移動距離などの旅程条件があります。「欧州内ならどんな組み合わせでも1特典で取れる」とは言えません。発券画面で希望の組み合わせを確認してください。
一方、東京→パリとロンドン→東京を別々の片道特典で予約するなら、各片道に使えるプログラムをそれぞれ選べます。手配の自由度は増えますが、往復1件との必要マイル・諸費用の差は旅程次第です。実際に移動する都市を考える際は日本からヨーロッパへ直行便で行ける都市・航空会社一覧も参照してください。
【少し応用】ストップオーバーは乗り継ぎとどう違う?
東京→ヘルシンキ→パリの途中、ヘルシンキに数日滞在するイメージです。多くの国際線特典では、経由地で24時間を超える滞在を途中降機として扱います。ただし境界の書き方は制度により異なり、Flying Blueの案内は「24時間以上」です。24時間ちょうどの扱いまで一律に判断せず、利用する制度で確認してください。
乗り継ぎ都市で宿泊すること=必ずストップオーバーではありません。到着から次の便までの時間が規定内なら、夜を挟んでも通常の乗り継ぎになり得ます。逆に数日滞在する計画なら、経由する航空会社だけでなく、マイルを使うプログラムの途中降機規則を確認します。
JAL・ANA・海外マイルの早見表
| 発券に使う制度 | 片道 | パリ着・ロンドン発を1件で | 経由地に数日滞在 |
|---|---|---|---|
| JAL自社国際線特典 | 可 | 地上移動条件つき | 日本国内での24時間超の滞在不可。国際線は往復各1区間 |
| JAL提携航空会社特典 | 可 | 条件つき | 地上移動を含め最大3回 |
| JAL oneworld特典 | 可 | 条件つき | 地上移動を含め最大7回 |
| ANA自社国際線特典 | 可 | エリアなどの条件つき | 日本発は不可。海外発は条件つき |
| ANA提携航空会社特典 | 可 | エリアなどの条件つき | 片道不可/往復は目的地以外に1回可 |
| Aeroplan | 可 | 可、旅程条件あり | 片道にも1回、原則5,000ポイント追加 |
| Flying Blue | 可 | 片道2件なら組み合わせ可。1件の条件は未確認 | 対象便の接続に無料設定可、電話で相談 |
| BAのAvios | 可 | 同一ゾーンなど条件つき | 経路・料金を個別確認 |
注:この表の「可」は希望便に特典空席があることを保証しません。JALの提携特典・oneworld特典では、地上移動区間も途中降機回数に数えます。ANAの途中降機は自社便と提携便で規則が異なります。
JALマイル:自社便、提携便、oneworld特典は別の制度
JAL自社国際線特典
片道または往復で利用可能です。往復では到着地と復路出発地が違う旅程を組めますが、地上移動区間は旅程全体で1回まで、距離などの条件があります。往路・復路それぞれの国際線は1区間までです。日本国内での乗り継ぎ時に24時間を超えて滞在することはできません。提携便向けの「途中降機3回」をこの制度に当てはめないでください。
JMB提携航空会社特典
片道でも利用できます。一般に最大6飛行区間ですが、航空会社によって最大2~4区間の例外があります。途中降機は地上移動区間を含めて最大3回、地上移動区間は旅程全体で1回までです。日本発着の場合、日本国内で途中降機はできません。運航会社による例外もあるため、組む便が決まった段階で条件を再確認します。
JAL oneworld特典
片道に対応し、最大8飛行区間、途中降機は地上移動区間を含めて最大7回です。こちらも地上移動区間は1回まで。複数都市を飛行機で回りたい場合の選択肢ですが、路線・空席・総旅程距離によって成立するかが変わります。はじめての特典発券なら、まず片道または単純な往復から考えるほうが旅程を把握しやすいでしょう。
ANAマイル:自社便と提携便で途中降機が違う
ANA国際線特典航空券(自社便)
2025年6月24日以降の新規予約・発券は片道対応です。往復のオープンジョーは、往路到着地と復路出発地のエリアなどに条件があります。日本発の旅程で途中降機は不可。海外発では、往復旅程で目的地以外に1回可能です。また、ANA自社便の片道旅程では途中降機できません。
ANA提携航空会社特典航空券
こちらも片道に対応しています。ただし片道旅程では途中降機できません。往復旅程なら日本発・海外発ともに、目的地以外に往路か復路のどちらかで1回可能です。地上移動、エリア、乗り換え回数なども確認が必要です。ANA自社便の「日本発では途中降機不可」を提携便に当てはめないことが大切です。
片道解禁の経緯はANA国際線特典航空券の変更点の記事でも扱っています。
海外マイル:途中の都市にも泊まりたい場合
Air Canada Aeroplan
Aeroplanは片道・往復・オープンジョー・複数都市の特典に対応します。国際線特典では片道でも一方向につき1回のストップオーバーを設けられ、最大45日滞在できます。現行案内では1回につき5,000ポイント追加です。ただしカナダ、米国、中国の国内では設定できず、ストップオーバー地点で到着都市と出発都市を変えることもできません。経路の審査や特典空席も必要です。
Flying Blue
Flying Blueの公式案内は、Air France、KLMまたは提携会社の便をつなぐ特典航空券に24時間以上の無料ストップオーバーを案内しています。ここでの「無料」は追加の必要マイルについての案内で、税金・サーチャージなどは別途かかります。公式案内では、アカウントにログインしカスタマーサービスに電話して手配します。提携便を含むすべての希望旅程が自動的に成立する意味ではありません。
パリ着・ロンドン発を考える場合、Flying Blueの片道特典を2件に分ける方法はあります。一方、1件の往復特典としてのオープンジョーについては今回確認した公式案内から一般条件を確定できませんでした。Flying Blueの貯め方・使い方と私の利用経験も参照してください。
British Airways ClubのAvios
BA便の片道特典に対応し、提携航空会社便も特典対象です。往復で到着地と帰りの出発地を変える場合は、両都市が同一ゾーンにあるなどの条件が規約にあります。ストップオーバーは旅程構成と料金を個別に確認し、無料で自由に追加できると決めつけないでください。BAで発券するJAL便の条件を、JALマイルで発券するJAL便の条件と混同しないことも重要です。BA AviosでJAL便を発券した実例も掲載しています。
旅程から選ぶ:最初の確認手順
- 行きだけマイル:希望区間の片道特典空席と諸費用を確認する。帰りは別予約でもよい。
- パリ着・ロンドン発:往復1件で地上移動を入れた場合と、片道2件の場合の必要マイル・諸費用を比べる。
- 途中都市にも宿泊:その都市が「目的地」か「途中降機」かを区別し、利用制度に設定枠があるか確認する。
- 複数都市を空路で周遊:JAL提携・oneworldなどの区間数と途中降機の条件を確認する。
東京→パリ、ロンドン→ニューヨーク、ニューヨーク→東京のような旅程は、出発地へ一度戻る旅程かどうか、地域、総距離、運航便、特典空席などの検討が必要です。ここでは一般に「1件で取れる」とは断定しません。
マイルが不足する場合も、予約可能な空席を確認する前に購入を決めないほうがよいでしょう。購入制度と注意点はマイルを購入できる航空会社一覧へ。発券後の変更や取消は国際線特典航空券の変更・取消手数料比較で整理しています。
よくある質問
特典航空券は往復で取らなければいけませんか?
いいえ。JAL・ANAの現行国際線特典には片道発券があります。ANAは2025年6月24日以降の予約・発券分から対応しています。
行きはJALマイル、帰りはAviosにできますか?
それぞれ片道の特典空席と必要マイルがあれば、別予約として組み合わせられます。変更や取消も予約ごとに扱われます。
東京→パリ、ロンドン→東京は取れますか?
往復1件のオープンジョーとして取れる制度があります。ただし地上移動距離やエリアなどの制約を確認してください。別々の片道予約で組む方法もあります。
ANAマイルなら東京→ヘルシンキ→パリでヘルシンキに数日泊まれますか?
ANA自社便の日本発特典に途中降機枠はありません。ANA提携特典では日本発の往復旅程に1回の途中降機枠がありますが、片道特典にはありません。実際の運航便と経路の可否も別に確認してください。
ストップオーバーは乗り継ぎと同じですか?
いいえ。途中都市に長く滞在する旅程で、プログラムごとの時間条件と発券規則が適用されます。単なる乗り継ぎとは区別します。
どれが一番お得ですか?
制度だけで決められません。特典空席、必要マイル、税・サーチャージ、変更・取消条件、別予約でつなぐリスクを旅程ごとに比べます。
まとめ:まずは旅行の形を決める
行きだけなら片道発券、到着地と帰国地を変えるならオープンジョーまたは片道2件、経由都市にも泊まりたいならストップオーバーを確認します。制度名より先に、行きたい都市と移動方法を書き出すと、必要な条件が見えます。
最後は利用するマイルの公式規約と実際の予約画面で確認してください。この記事は2026年9月26日に各プログラムの公式案内を確認して作成しました。
公式情報:JAL自社便/JAL提携便/JAL oneworld/ANA自社便/ANA提携便/Aeroplan規約/Flying Blue途中降機/BA規約



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