スイスのチューリッヒ空港(ZRH)やジュネーブ空港(GVA)から日本へ帰国するとき、航空券の「出国税・空港税」はいくらかかるのでしょうか。
私は以前、スイスで乗り継ぐ際にチューリッヒで1泊したことがあります。スイスをじっくり観光した経験はまだありませんが、いつか鉄道でアルプスの自然を巡ってみたい国の一つです。今回はその滞在体験とは分けて、空港運営会社が公表する2026年の料金を確認します。
先に結論:チューリッヒ空港では2026年10月1日から、通常の出発旅客に関する旅客料金・保安料金・移動制約のある旅客の支援に関する料金の合計が30.40スイスフラン(CHF)になりました。ジュネーブ空港は、2025〜2027年の料金合意を報告した公式資料で、2026年の通常出発旅客の料金が29.90CHFと示されています。これらは空港が航空会社に課す料金であり、航空券の税金・手数料の全額ではありません。
【2026年10月更新】旧記事にあった「チューリッヒ35.00CHF、ジュネーブ32.00CHF」と2025年4月の円換算額を、現在の料金として使うことは取りやめました。また、旧記事の「空港旅客保安騒音税」という一つの税名でまとめる説明を改め、旅客関連料金と航空機の騒音に関する料金を区別しています。
スイスの出国税・空港税はどう決まる?
航空券の料金明細に「空港税」と表示されていても、すべてが国の出国税というわけではありません。スイスの主要空港では、空港運営会社が旅客サービス料金、保安関連料金、移動に支援が必要な旅客のための料金などを設定しています。航空会社はこれらを航空券代金に反映する場合があります。
一方、航空機の騒音に関する料金は、機材の騒音区分や運航時間帯などを基に航空会社へ課されるものです。すべての旅行者が一律に「騒音税」を直接支払うという意味ではありません。また、国ごとの航空旅客税や燃油サーチャージまで、空港の料金表だけで比較することはできません。
チューリッヒ空港(ZRH)の空港料金|2026年10月改定
チューリッヒ空港は2026年10月1日から新しい料金制度を適用しました。空港運営会社の公表によると、通常の出発旅客の旅客関連料金は35.00CHFから30.40CHFへ引き下げられました。
| 料金項目 | 2026年10月1日から |
|---|---|
| 旅客料金(Passenger charge) | 18.20CHF |
| 保安料金(Security charge) | 11.30CHF |
| PRM関連料金 | 0.90CHF |
| 通常出発旅客の上記3項目合計 | 30.40CHF |
| 所定の乗継旅客の旅客関連料金合計 | 14.00CHF |
通常の出発旅客・乗継旅客に適用される空港運営会社向け料金。2026年10月1日施行の新料金について、チューリッヒ空港公式発表に基づき記載。出発旅客30.40CHFと乗継旅客14.00CHFは加算する金額ではなく、異なる旅客区分です。
例えば、チューリッヒを出発地にする旅程と、ほかの国から到着して同空港で別便に乗り継ぐ旅程では、空港が適用する旅客区分が異なります。上表には、他国の税金、航空会社の燃油サーチャージ、別途の運賃などは含まれていません。
出典:チューリッヒ空港公式・2026年10月改定と料金内訳、チューリッヒ空港公式・空港料金規定
ジュネーブ空港(GVA)の旅客料金|2026年は29.90CHF
ジュネーブ空港では、航空会社などとの2025〜2027年の料金合意をまとめた空港の公式年次報告に、2025年29.75CHF、2026年29.90CHF、2027年30.00CHFという通常出発旅客の料金が記載されています。2026年の29.90CHFには、移動に支援が必要な旅客のための費用や、周辺住民への補償基金に関する費用も含まれています。
| 年度 | 通常出発旅客の料金(公式合意資料) |
|---|---|
| 2025年 | 29.75CHF |
| 2026年 | 29.90CHF |
| 2027年(同資料の予定額) | 30.00CHF |
資料の更新時点に注意:ジュネーブ空港公式FAQには、2025年の29.75CHFという記載が残っています。この記事では同空港の2025〜2027年料金合意を説明した年次報告の2026年欄を使用していますが、空港の最終的な請求・航空券への反映は適用日の料金規定と予約明細でご確認ください。
また、ジュネーブ空港の旅客料金には保安関連費用が含まれると空港自身が説明しています。そのため、29.90CHFに別の「保安料」を根拠なく加算しないことが重要です。乗継旅客には異なる料金区分があり、通常の出発旅客と同じ金額だとは限りません。
出典:ジュネーブ空港公式・料金制度と公式資料、ジュネーブ州議会公開資料・空港2024年報告(2025〜2027年料金合意)、ジュネーブ空港公式FAQ(掲載額の年度に注意)
スイスで乗り継ぐと空港料金は安くなる?
チューリッヒでは、通常出発旅客30.40CHFに対し、所定の乗継旅客には14.00CHFという別料金が設定されています。乗継の旅客関連料金が低いことと、航空券全体の諸費用が14.00CHFになることは別です。
| 旅程例 | 確認すること |
|---|---|
| チューリッヒから日本行きへ出発 | 通常出発旅客の料金区分が基本 |
| パリ→チューリッヒ→日本 | 所定の乗継条件を満たす場合、乗継旅客の料金区分を確認 |
| チューリッヒに1泊してから日本へ出発 | 乗継時間・便名・予約条件を確認し、通常出発旅客と同じ扱いになるかを確認 |
| ジュネーブから欧州都市を経由して日本へ | ジュネーブ側の旅客料金と経由先での税金・料金を分けて確認 |
チューリッヒ空港の料金規定では、乗継旅客について原則到着予定時刻から24時間以内に異なる便名で出発することなどを定義しています。ただし、滞在時間だけで最終判断できるものではなく、予約・運航形態なども関係します。私自身のチューリッヒでの1泊経験を、特定の料金が適用された証拠としては扱っていません。
ビジネスクラス・特典航空券の場合はどうなる?
今回紹介したスイスの空港旅客関連料金は、英国APDのようにビジネスクラスだから全国一律で高い税率になる仕組みとは異なります。ただし、航空会社や予約する路線によって、航空券の運賃や燃油サーチャージなどの費用は変わります。
マイルで発券した特典航空券でも、空港関連料金や各国の税金、航空会社が設定する費用が現金で必要になる場合があります。必要マイルだけでなく、「マイル+実際の現金負担」の両方を比較してください。詳しくは特典航空券でもお金はかかる?税金・燃油サーチャージ・手数料で解説しています。
スイスの出国税・空港料金に関するよくある質問
Q. チューリッヒ空港から日本へ帰る税金は30.40CHFだけ?
いいえ。30.40CHFはチューリッヒ空港の通常出発旅客に関する3つの料金の合計で、航空券全体の税金・手数料の合計ではありません。他国を経由する場合の税金や、航空会社が設定する費用は別です。
Q. チューリッヒの35CHFはもう使えない?
35.00CHFは2026年10月の改定前に適用されていた通常出発旅客向けの旅客関連料金です。2026年10月1日からは30.40CHFとなったため、過去の35CHFを現在の料金として紹介しないようにしてください。
Q. 空港で「騒音税」を別途現金払いする?
この記事で扱う料金は通常、航空会社を通じて航空券価格に反映されます。騒音に関する空港料金は航空機の騒音区分などに基づく航空会社向けの料金であり、旅行者全員が出国審査で定額を直接支払う仕組みではありません。
まとめ|スイスは出発空港と乗継条件で料金を確認
2026年10月時点で、チューリッヒ空港の通常出発旅客向けの旅客関連料金は30.40CHF、所定の乗継旅客向けは14.00CHFです。ジュネーブ空港は、公式の2025〜2027年料金合意資料で2026年の通常出発旅客料金が29.90CHFと示されています。数字はそれぞれの空港の料金区分であり、航空券の最終支払額ではありません。
出発国を変えたり、スイスで乗り継いだりする旅程を比較するときは、航空会社の予約画面で税金・料金の明細を確認しましょう。ほかの欧州各国の違いはヨーロッパ13か国の出国税・空港料金比較でも整理しています。
旧記事の参照資料:JTB・海外空港税参考資料。旧版作成時の参照元として残しますが、2026年の適用額の根拠には使用していません。
それではみなさま、素敵な旅を!
制度確認日:2026年10月29日。チューリッヒ空港2026年10月料金改定の公表、ジュネーブ空港2025〜2027年の料金合意を報告した一次資料、両空港の公式案内を参照しています。空港の料金表と航空券の請求額は一致しない場合があります。



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