ANA・JALの国際線燃油サーチャージが、2026年6月発券分から大幅に引き上げられる見通しです。
背景にあるのはイラン戦争によるジェット燃料価格の急騰と、円安の進行という2つの要因。4〜5月発券分は現行水準が維持されていますが、6月以降は現行制度の上限値に到達するとの報道が出ており、ANA・JAL各社広報もその見通しとのこと。
この記事では、現在確定している4〜5月発券分の金額と、6月以降の見通し、そしてマイルで特典航空券を使う場合の注意点についてまとめます。
現行(2026年4〜5月発券分)の燃油サーチャージ
まず現在発券すると適用される確定額を確認します。いずれも日本発・お一人さま・1区間片道あたりの金額です。
JAL(日本発・片道)
| 路線 | 金額 |
|---|---|
| 欧州・北米・中東・オセアニア | 29,000円 |
| ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ | 17,800円 |
| タイ・ベトナム・グアム等 | 9,000〜14,000円台 |
| 東アジア(韓国を除く) | 7,400円 |
| 韓国 | 3,400円 |
ANA(日本発・片道)
| 路線 | 金額 |
|---|---|
| 欧州・北米・中東・オセアニア | 31,900円 |
| ハワイ・インド・インドネシア | 20,400円 |
| タイ・シンガポール・マレーシア等 | 16,300円 |
| ベトナム・グアム・フィリピン等 | 10,500円 |
| 東アジア(韓国を除く) | 9,400円 |
| 韓国・ロシア(ウラジオストク) | 3,300円 |
ANAはJALより高めの設定になっています。欧州線を往復・2人分で比較すると、ANAは127,600円、JALは116,000円の負担です。
JALの4〜5月発券分は、2025年12月〜2026年1月のシンガポールケロシン市況平均(84.26ドル)に為替平均(1ドル=156.27円)を乗じた円換算額13,166円をもとに、条件表の「Zone H(13,000円基準)」が適用されています。
2026年6月以降の見通し
※以下は2026年4月2日時点の情報です。6〜7月発券分の正式発表は4月中旬〜下旬を予定しており、金額は確定していません。
日経新聞(2026年4月1日付)とBloombergの報道によると、6〜7月発券分は現行制度の上限値に到達する見通しとのこと。ANA・JAL両社の広報担当者もそれぞれの改定条件表と照らし合わせると上限値になる見通しとのこと。
報道ベースで見込まれている金額は以下のとおりです。
| 路線 | ANA(見通し) | JAL(見通し) | 現行比 |
|---|---|---|---|
| 欧州・北米 | 55,000円 | 50,000円 | 約7割増 |
| 韓国 | 6,500円 | 5,900円 | 約2倍 |
欧州往復・2人分で試算すると、ANAは220,000円、JALは200,000円となり、現行水準から1人あたり片道で2万円以上跳ね上がる計算です。
なぜこれほど上がるのか
燃油サーチャージはシンガポール市場のケロシン(ジェット燃料)価格に2カ月間の為替平均を乗じた円換算額をもとに2カ月ごとに改定されます。6〜7月発券分は2026年2〜3月の市況データが基準になります。
この期間に2つの要因が重なりました。ひとつは2026年2月28日に始まった米国・イスラエルによるイラン攻撃で、開戦前後でジェット燃料の市況が急変したこと。もうひとつは円安で、3月中旬には1ドル=159円台と2024年7月以来の水準まで進行しました。原油高と円安が同時に作用した結果、算定基準額が大きく切り上がる見込みとなっています。
日経新聞はまた、さらなる原油高が続けば燃油サーチャージで吸収しきれなくなり、制度そのものの改定議論が進む可能性もあると報じています。
マイルで特典航空券を使う場合の影響
燃油サーチャージは有償チケットだけの話ではありません。ANA・JALのマイルを使った特典航空券にも適用されます。運賃はゼロでも、燃油サーチャージは有償チケットと同額が必要です。
ただし、どのマイルでどの航空会社に乗るかによって扱いが変わります。
サーチャージがかかるケース(主なもの)
- ANAマイルでANA便(NH)に搭乗
- JALマイルでJAL便(JL)に搭乗
- JALマイルでエールフランス(AF)便に搭乗
サーチャージがかからないケース(主なもの)
- ANAマイルでシンガポール航空(SQ)やベトナム航空(VN)などに搭乗
- JALマイルで提携航空会社の一部に搭乗
注意が必要なのは航空会社ごとに確認が必要です。
提携航空会社へのサーチャージ有無は各プログラムの条件次第で変わることがあるため、発券前に必ずANA・JAL各公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
発券タイミングについて
現在(4〜5月発券分)の水準は5月31日発券分まで適用されます。6月以降に発券すると、上記の引き上げ後の金額が適用される見通しです。
ここで大切なのは「予約」と「発券」の違いです。ANAは予約日に関わらず購入(発券)時点の金額が適用されます。JALも発券時に有効な金額が基準です。予約だけ先に済ませても、発券が6月以降になれば値上がり後の金額になります。
旅程が決まっていて近いうちに発券する予定がある方は、5月31日までに発券するかどうかで負担額に大きな差が生じる可能性があります。ただし旅程が未確定のまま先走って発券するのも考えものです。取消時には燃油サーチャージは手数料なしで全額返金されますが、航空券本体の取消手数料は別途かかります。実際に発券するかどうかは旅程の確度と合わせて判断するのがよいでしょう。
なお、6〜7月発券分の正式な金額は2026年4月中旬〜下旬に各社から発表される予定です。
今回の値上げ幅は、過去のウクライナ侵攻時と比べても急ピッチです。「マイルを使えば運賃はタダ」という感覚でいると、燃油サーチャージだけで欧州往復2人分20万円という事態になりかねません。発券前に一度、自分の旅程のサーチャージ総額を確認しておくことをおすすめします。
本記事の6月以降の見通し金額は日経新聞・Bloomberg報道をもとにしています。正式な金額はANA・JAL各公式サイトでご確認ください。
公式情報:
それではみなさま、素敵な旅を!


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