マイルを使って「タダで飛ぶ」はずが、燃油サーチャージだけで2人分20万円超え――そんな時代になってしまいました。
2026年5月、JAL・ANAともに欧米路線の燃油サーチャージが過去最高水準に達しています。特典航空券だからといって無関係ではなく、JAL・ANA自社発券の場合は有償航空券とまったく同額がかかります。
この記事では、2026年5月時点で「燃油サーチャージがかからない(または抑えられる)」航空会社と発券方法を、有償航空券・特典航空券に分けて整理します。
「昔はエア・カナダも無料だった」「ユナイテッドは今も大丈夫」――こういった古い情報が今も出回っていますが、状況はかなり変わっています。正確な情報を確認してから動きましょう。
まず確認:2026年5月〜6月発券分のJAL・ANA燃油サーチャージ
2026年4月20日、JAL・ANAがそろって燃油サーチャージの大幅引き上げを発表しました。中東情勢の悪化によるジェット燃料価格の高騰と円安が重なった結果です。政府の激変緩和措置(補助金)が入っているにもかかわらず、この水準です。
JAL(2026年5月〜6月発券分・日本発・片道)
| 路線区分 | 片道 | 往復換算 |
|---|---|---|
| 欧州・北米・中東・オセアニア | 56,000円 | 112,000円 |
| ハワイ・インド | 34,700円 | 69,400円 |
| 東南アジア(タイ・シンガポール等) | 29,600円 | 59,200円 |
| 韓国・中国 | 数千円〜 | — |
ANA(2026年5月〜6月発券分・日本発・片道)
| 路線区分 | 片道 | 往復換算 |
|---|---|---|
| 欧州・北米(成田〜メキシコシティを除く) | 56,000円 | 112,000円 |
| ハワイ・インド | 34,700円 | 69,400円 |
| 東南アジア(シンガポール等) | 29,600円 | 59,200円 |
どちらも特典航空券でも同額です。JAL・ANA自社発券のマイル旅行に、この金額がそのままのしかかります。家族2人で欧州ビジネスに飛ぶなら、燃油サーチャージだけで20万円超になる計算です。
有償航空券の場合:日本発で燃油サーチャージが別建てでかからない航空会社
有償航空券で「燃油サーチャージが別建てでゼロ」という航空会社は、2026年5月時点でかなり限られています。
✅ シンガポール航空(SQ)
2017年以降、燃油サーチャージを運賃に内包する方式に変更しており、Eチケットの明細に燃油サーチャージ行(YQ)が表示されません。
ただし「内包」なので、燃料コスト自体がゼロというわけではありません。運賃水準の中に含まれています。日本〜シンガポール、日本〜欧州(シンガポール経由)などで使われており、特典航空券(クリスフライヤーや他社マイル経由)でも同様です。
✅ スクート(TR)
シンガポール航空の子会社LCCで、同様に燃油サーチャージを別建てでは設定していません。日本〜シンガポール路線などで利用されています。ただしLCCなので手荷物・座席指定等は別途費用がかかります。
⚠️ 要注意:「無料」と書かれていても鵜呑みにしない
ネット上には「ユナイテッド航空は燃油サーチャージなし」という情報が今も出回っています。しかし2026年2月から、ユナイテッド航空は日本発の有償航空券に燃油サーチャージを再設定しています(国土交通省認可済み)。
詳しくは次のセクションで整理します。
特典航空券の場合:「どのマイルで発券するか」が全て
特典航空券での燃油サーチャージは、「どの航空会社に乗るか」ではなく「どのマイレージプログラムで発券するか」で決まります。ここが最大のポイントです。
たとえばJALのビジネスクラスに乗る場合でも、JALマイルで発券するか、アメリカン航空のマイルで発券するかによって、燃油サーチャージが10万円以上変わることがあります。
パターン①:「発券するプログラム自体がYQ(燃油サーチャージ)を転嫁しない」
これが最も効果の大きい方法です。
ユナイテッド航空 MileagePlus
MileagePlusは、自社便・提携便を問わず、特典航空券の発券時に燃油サーチャージ(YQ)を転嫁しないポリシーを維持しています。
- ANA便をMileagePlusで発券 → 燃油サーチャージなし
- 支払いは税金・空港使用料のみ
ただし注意点があります。 有償航空券としてのユナイテッドは2026年2月から日本発の燃油サーチャージを再設定しています。「MileagePlusの特典航空券は引き続き無料」という話と、「ユナイテッドの有償航空券は今は有料」という話は、別の話です。混同に注意。
要確認:MileagePlusの特典ポリシーは変更されることがあります。発券前にユナイテッド航空公式でご確認ください。
エア・カナダ Aeroplan
Aeroplanは2020年のプログラム刷新以降、特典航空券のYQを完全廃止しています。スターアライアンス各社(ANA便を含む)をサーチャージなしで発券できます。
ただしこちらも変更キャンセル手数料が高いのは注意。
ただし有償航空券としてのエア・カナダは今は別の話です。下に詳述します。
アビアンカ航空 LifeMiles
LifeMilesも燃油サーチャージを転嫁しないプログラムとして知られています。本来サーチャージが高いルフトハンザなどのスターアライアンス便もYQなしで発券できることで、マイラーには有名です。ただしこちらも変更キャンセル手数料が高いのは注意。
LifeMilesはプロモーション販売が多く、私自身も購入し活用することもあります。
パターン②:「乗る航空会社自体がYQを設定していない」
シンガポール航空便はそもそも有償でもYQを別建てにしていないため、クリスフライヤー経由の特典でも、ANAマイルやMileagePlus経由の特典でも、燃油サーチャージは発生しません。
パターン③:「発券プログラムが一部の提携社にはYQを転嫁しない」
アメリカン航空 AAdvantage
AAdvantageは、ブリティッシュ・エアウェイズとイベリア航空に対してのみYQを転嫁し、それ以外の提携社(JAL・カタール航空・キャセイパシフィック等)ではYQを請求しない方針です。
- JALビジネスをAAdvantageで発券 → 燃油サーチャージなし
JALのヨーロッパ線ビジネスクラスは、JALマイル自社発券なら片道56,000円の燃油サーチャージがかかります。AAdvantageで発券すればそれがゼロになります。必要マイル数や空き状況はJALマイルと異なりますが、検討する価値は大きいです。
JALマイル(JMB)でエールフランスを発券
JALマイルで他社便を特典発券した場合、乗る航空会社がYQを設定していなければサーチャージが発生しない場合があります。エールフランスはJALマイルでの発券時に日本発区間のサーチャージがかからないとされています。
要確認:この点は路線・区間によって異なるため、JAL公式または発券前にご確認ください。
ANAマイルでシンガポール航空・ベトナム航空を発券
ANAマイルで、そもそもYQを設定していない提携航空会社を発券した場合はサーチャージが発生しません。シンガポール航空やベトナム航空がその代表例として挙げられています。
【注意】「昔は無料だった」航空会社の現状
エア・カナダ(有償航空券)
以前はエア・カナダも燃油サーチャージなしとして語られていましたが、2026年現在、日本発着の有償航空券には燃油サーチャージが復活しています。「エア・カナダなら燃サ無料」という情報は古い可能性が高いです。
Aeroplan(特典航空券の発券プログラムとしてのエア・カナダ)は引き続きYQ転嫁なしですが、有償券として買う場合は要注意です。
最新状況:エア・カナダ公式「燃油サーチャージ」
ユナイテッド航空(有償航空券)
繰り返しになりますが、有償航空券としてのユナイテッドは2026年2月から日本発に燃油サーチャージを設定しています。MileagePlusの特典航空券の話とは別物です。
最新状況:ユナイテッド航空公式「燃油サーチャージ」
簡単なルート別まとめ
精査が必要な複雑なルートではなく、「こんな選択肢もある」という程度の参考として。
欧州へ行きたい
- JAL便に乗りたいなら:JALマイルではなくAAdvantageで発券する(燃サなし)
- ANA便に乗りたいなら:MileagePlusまたはAeroplanで発券する(燃サなし)
- シンガポール航空経由でも問題ない:どのプログラムで発券してもYQなし
北米へ行きたい
- JAL便またはANA便に乗りたいなら:上記と同じ(AAdvantage、MileagePlus、Aeroplan)
- 有償でも燃サを減らしたい:シンガポール航空経由でSQを使うと明細上のYQはなし
ハワイへ行きたい
- JALマイルが余っている:ハワイアン航空の特典航空券として発券するとYQがかからないとされています(JALマイルでの提携発券)。ただし必要マイル数・空き状況はJAL自社便とは異なります。
まとめ:2026年の燃サ回避、整理するとこうなる
| 目的 | 方法 | 燃油サーチャージ |
|---|---|---|
| 有償で燃サゼロ | シンガポール航空・スクートに乗る | 別建てなし |
| JAL便をマイルで安く | AAdvantageやアラスカ航空マイルで発券 | なし(BA/IB除く) |
| ANA便をマイルで安く | MileagePlus・Aeroplan・LifeMilesで発券 | なし |
| SQ便をマイルで | どのプログラムでもOK | なし |
| エア・カナダで有償 | 今は要注意。燃サあり | あり |
| ユナイテッドで有償 | 今は要注意。燃サあり(2026年2月〜) | あり |
燃油サーチャージの情報は2ヶ月ごとに変わりますし、プログラムのポリシーも随時改定されます。この記事の情報は2026年5月時点のものです。発券前には必ず各航空会社・各プログラムの公式ページでご確認ください。
それではみなさま、素敵な旅を!


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