「マイルは飛行機に乗ったり、クレジットカードを使ったりして貯めるもの」と考えている方も多いと思います。
しかし、海外の航空会社には、マイルやポイントを公式サイトから購入できるマイレージプログラムがあります。
このように、航空会社のマイルを現金で購入することを、一般的にバイマイル(Buy Miles)と呼びます。
マイルをすぐに増やせる便利な方法ですが、「セールだから買えばお得」というほど単純ではありません。特典航空券の空席がなければ使えませんし、マイル購入費とは別に、燃油サーチャージや税金などが必要になる場合もあります。
私はこれまでに、Flying Blue、LifeMiles、Finnair Plusなどでマイルやポイントを購入してきました。購入したマイルや保有していたAviosなどを組み合わせ、ヨーロッパへのビジネスクラスやJALファーストクラスの特典航空券にも使っています。
この記事では、実際にバイマイルを利用してきた経験をもとに、仕組み、メリット、注意点、買う前に確認したいことを整理します。
先に結論
- セールが始まっただけでは購入しない
- 先に希望便の特典航空券を検索する
- 購入費だけでなく、税金や燃油サーチャージも含めて計算する
- 有償航空券は、実際に購入する予定の運賃と比較する
- 使い道が決まっていないマイルを大量に買わない
- 購入後すぐに反映されるとは限らない
マイルをまだ貯め始めていない方は、バイマイルを検討する前に、目的地や人数、希望する座席クラスを整理しておくことも大切です。
マイルを貯め始める前に決める8つのことで、私ならどのような順番で考えるかをまとめています。

バイマイルとは?
バイマイルとは、航空会社のマイレージプログラムが用意している購入ページから、マイルを現金で購入する仕組みです。
航空会社によっては「Buy Miles」ではなく、次のような名称が使われています。
- Buy Points
- Buy Avios
- Purchase Miles
- Buy, Gift or Transfer
名称は異なりますが、この記事ではマイル、ポイント、Aviosを公式に購入することをまとめて「バイマイル」と表記します。
通常時にも購入できますが、海外の航空会社では、ボーナスマイルの付与や購入価格の割引キャンペーンが行われることがあります。
例えば、同じ10万マイルを手に入れる場合でも、通常時と100%ボーナス時では、実質的な1マイルあたりの購入単価が大きく変わります。
ただし、ボーナス率が高いことと、そのマイルをお得に使えることは別問題です。
公式のバイマイルと非公式なマイル売買は別
この記事で扱うのは、航空会社やマイレージプログラムが公式に提供している購入制度です。
個人間売買、オークション、非公式な仲介業者などを通じたマイル購入は、航空会社の規約に抵触したり、アカウント停止や不正利用などの問題につながったりする可能性があります。
バイマイルを利用する場合は、必ず航空会社の公式サイトまたは公式サイトから案内された購入ページを利用してください。
ANA・JALのマイルは直接購入できる?
2026年8月現在、ANAやJALには、海外航空会社のように公式サイトから任意のマイル数を継続的に直接購入する一般的なバイマイル制度はありません。
ANAマイルやJALマイルを増やす方法としては、主に次のような選択肢があります。
- 飛行機への搭乗
- クレジットカード決済
- ポイントサイトからの移行
- 提携ポイントからの交換
- キャンペーンの利用
- ホテルポイントからの移行
マリオット・ボンヴォイなどのホテルポイントを購入し、そのポイントをANAやJALのマイルへ移行することで、結果的にマイルを現金で取得する方法もあります。
ただし、購入単価、移行レート、移行上限、反映時間を考えると、いつでも得になる方法ではありません。
マリオットポイントをマイルへ交換する場合の考え方も別記事でまとめています。
クレジットカード、ポイントサイト、ホテルポイント、バイマイルをどのように使い分けるかについては、以下の記事をご覧ください。
マイルはクレカだけでは貯まらない|私が使うカードとポイントサイト
バイマイルのメリット
不足分のマイルを短期間で補える
バイマイルの最も分かりやすい使い方は、特典航空券を発券するために不足している分を補うことです。
例えば、必要マイルが10万マイルで、すでに9万マイルを持っている場合、足りない1万マイルだけを購入できれば、カード決済や搭乗で貯まるのを待たずに発券できます。
ただし、購入したマイルが即時に反映されるとは限りません。希望便の空席を見つけてから購入しても、反映を待っている間に特典席がなくなる可能性があります。
ビジネスクラスやファーストクラスで有償航空券より安くなる場合がある
長距離のビジネスクラスやファーストクラスは、有償航空券が高額になることがあります。
バイマイルで必要なマイルを用意し、特典航空券として発券することで、有償航空券より現金負担を抑えられる場合があります。
ただし、比較する相手を高額な正規運賃だけにしてはいけません。
実際に購入する可能性がある割引運賃、乗継便、プレミアムエコノミーなども含めて比較する必要があります。
羽田~パリを例に、バイマイルで発券する場合と有償航空券を比較した結果は、以下の記事にまとめています。
ANA・JAL以外の特典航空券も選択肢にできる
海外航空会社のマイルは、その航空会社の自社便だけに使うものとは限りません。
アライアンスや個別提携を利用し、提携航空会社の特典航空券を予約できる場合があります。
例えば、Aviosは複数の航空会社で採用されており、条件を満たせば対象プログラム間で移行できることがあります。
Aviosの移行方法と対応航空会社、注意点はこちらで解説しています。
私は実際に、ブリティッシュ・エアウェイズのAviosを使ってJALファーストクラスを発券しました。
カード決済だけでは届きにくい大量のマイルを用意できる
ヨーロッパへのビジネスクラスやファーストクラスを夫婦2人分発券する場合、数十万マイルが必要になることがあります。
普段のクレジットカード決済だけで短期間に用意するのは難しいため、ポイント移行やバイマイルを組み合わせることがあります。
私は2018年から2026年までに、夫婦2人分を中心として累計246万マイルを特典航空券に使ってきました。
バイマイルのデメリットと注意点
マイルを買っても特典航空券の空席は保証されない
最も大きなリスクは、マイルを購入しても希望便の特典航空券を予約できるとは限らないことです。
特に、次の条件では難易度が上がります。
- 旅行日を動かせない
- 直行便しか利用できない
- ビジネスクラスやファーストクラスを希望する
- 夫婦や家族など複数人分が必要
- 年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みなどの繁忙期
1人分の空席が表示されても、2人で検索すると出てこないこともあります。
マイルを買ってから旅行を考えるのではなく、希望路線を実際に検索し、自分の条件で使える可能性を確認することが先です。
購入費以外にも現金が必要
特典航空券は、マイルだけで発券できるとは限りません。
- 空港税
- 旅客サービス施設使用料
- 燃油特別付加運賃
- 航空保険料
- 発券手数料
- 座席指定料金
- 変更・払い戻し手数料
航空会社や路線によっては、マイル購入費に加えて高額な燃油サーチャージや諸税が必要になります。
「10万マイルを20万円で買えたから、20万円でビジネスクラスに乗れる」という計算にはなりません。
円安とクレジットカードの海外事務手数料の影響を受ける
海外航空会社のマイルは、米ドルやユーロなどの外貨で販売されることがあります。
同じボーナス率でも、為替レートによって日本円での購入単価は変わります。
さらに、クレジットカード会社の海外事務手数料や決済時の換算レートも加わります。
購入画面に表示された外貨価格ではなく、最終的にカードへ請求された日本円で単価を計算する方が正確です。
購入後にマイルの価値が下がる可能性がある
マイレージプログラムでは、必要マイル数、提携航空会社、発券手数料などが変更されることがあります。
大量に購入して長期間保有している間に、必要マイル数が増えたり、希望する航空会社を予約できなくなったりする可能性は否定できません。
使い道が決まっていない状態での大量購入は、値上がりを期待して保有する投資とは異なります。
購入後に返金できない場合がある
公式のバイマイルでも、購入後の取り消しや返金を認めていないプログラムがあります。
購入する数量やアカウントを間違えた場合も、簡単に元へ戻せるとは限りません。
決済前に、購入数量、ボーナス、通貨、合計金額、反映先の会員番号を確認してください。
有償航空券なら得られたマイルやステータス実績を得られない
有償航空券を購入した場合、搭乗マイルやステータス獲得に必要なポイントなどを得られることがあります。
特典航空券では、こうした実績が積算されない場合があります。
有償航空券と比較するときは、運賃だけでなく、付与されるマイル、変更条件、キャンセル条件なども含めて判断します。
実際にバイマイルして分かったこと
Flying Blueでは約32万円分を購入し、すぐに反映された
2023年にFlying Blueの100%ボーナスキャンペーンを利用し、ビジネスクラス特典航空券に使える程度のマイルを約32万円で購入しました。
公式案内では反映まで時間がかかる可能性が示されていましたが、私の購入時は、購入後にアカウントを確認した段階ですでに反映されていました。
ただし、これはあくまで当時の私の事例です。毎回即時反映されることを保証するものではありません。

Flying Blueの仕組み、特典航空券、ステータスなどは、以下の母艦記事でまとめています。
Flying Blueとは?マイルの貯め方・使い方・特典航空券を実体験で解説
最新の購入セールについては、こちらを随時更新しています。
LifeMilesでは反映まで約33時間かかった
2024年には、特典航空券の発券に必要な約15万マイルを用意するため、LifeMilesの160%ボーナスキャンペーンを利用しました。
購入したのは5月10日の19時頃、口座へ反映されたのは5月12日の4時頃でした。私の事例では、反映まで約33時間かかっています。
その間に狙っていた特典航空券の空席がなくなる可能性もあるため、落ち着かない時間でした。

Finnair Plusでは割引とボーナスの違いにも注意
Finnair Plusでは、Aviosの購入価格を割り引くキャンペーンと、購入数に対してボーナスAviosを追加するキャンペーンが行われることがあります。
例えば「40%割引」と「50%ボーナス」は、同じ意味ではありません。

キャンペーンの数字だけを比較せず、最終的な1Aviosあたりの日本円単価を計算する必要があります。
フィンエアーAviosのセール・購入単価・移行ルール完全ガイド
バイマイルの購入単価と総費用の計算方法
購入単価の基本計算
1マイルあたりの購入単価は、次のように計算します。
1マイルあたりの購入単価
カードへ請求された日本円 ÷ ボーナスを含む獲得マイル数
外貨価格をその日の為替レートで計算する方法もありますが、購入後はカード明細に反映された金額を使う方が実際の取得費用に近くなります。
特典航空券の現金負担を計算する
今回の予約で必要になる現金
不足分のマイル購入費+税金・燃油サーチャージ+座席指定料+追加移動費+各種手数料
例えば、10万マイル必要な特典航空券に対して7万マイルを持っており、不足する3万マイルを9万円で購入するとします。
特典航空券の税金・諸費用が6万円なら、今回新たに支払う現金は合計15万円です。
- 不足分の購入費:9万円
- 税金・諸費用:6万円
- 合計現金負担:15万円
同じ日程の有償航空券が18万円なら、差は3万円しかありません。
有償航空券でマイルが貯まり、変更条件も有償航空券の方がよいなら、無理にバイマイルを使わない判断もできます。
すでに持っているマイルも本当は無料ではない
厳密に比較する場合は、すでに保有しているマイルにも取得費用があります。
カード年会費、ポイントサイト利用、ホテルポイント購入、マイル移行などに費用がかかっている場合、保有マイルを完全に0円として計算すると、特典航空券を実際より安く見積もることになります。
私は簡易的な現金支出と、保有マイルの取得単価まで含めた総コストを分けて考えています。
バイマイルする前に確認する7項目
- 目的地、日程、人数、座席クラスを決める
特に2名以上の場合は、必要な席数で検索します。 - 実際の特典航空券を検索する
必要マイル表を見るだけでなく、希望日の空席と表示マイル数を確認します。 - 税金・燃油サーチャージを確認する
検索結果の最終画面付近まで進み、マイル以外の支払額を確認します。 - 購入後の実質単価を計算する
ボーナスを含む総獲得数で計算し、海外事務手数料も考慮します。 - 実際に買える有償航空券と比較する
正規運賃だけでなく、割引運賃、乗継便、プレミアムエコノミーなども比較します。 - 反映時間・有効期限・返金条件を確認する
購入マイルが間に合わない場合や、旅行を中止した場合も考えます。 - 発券できなかった場合の使い道を決める
別日程、別路線、提携航空会社などの代替案がなければ大量購入は避けます。
マイルを購入できる主なプログラム
日本から利用を検討しやすく、べぼろぐでも継続的に扱っている主なプログラムを整理します。
| プログラム | 主な特徴・検討用途 | 関連記事 |
|---|---|---|
| ANA・JAL | 通常の直接購入制度はなし。カード、提携ポイント、ホテルポイントなどから貯める | マイルの貯め方 |
| Flying Blue | エールフランス・KLM、スカイチーム系。マイル購入経験あり | Flying Blue完全ガイド |
| Avios | BA、Finnair、Qatar Airwaysなどで採用。対象プログラム間の移行も可能 | Avios移行ガイド |
| Atmos Rewards | アラスカ航空のプログラム。JALなどの提携航空会社も候補 | Atmos Rewards完全ガイド |
| AAdvantage | アメリカン航空とワンワールド系の特典航空券を検討可能 | AAdvantageバイマイルの条件と注意点 |
| MileagePlus | ユナイテッド航空とスターアライアンス系の特典航空券を検討可能 | ユナイテッド航空マイル購入ガイド |
| Aeroplan | エア・カナダとスターアライアンス系。購入条件はアカウントで確認 | Aeroplanバイマイルの単価と注意点 |
| LifeMiles | スターアライアンス系。安価になる場合がある一方、反映や海外サポートにも注意 | LifeMiles購入実例 |
どのプログラムがおすすめかは、ボーナス率だけでは決まりません。
行きたい場所、利用したい航空会社、特典席の空き、必要マイル、諸税、キャンセル条件を確認してから候補を選びます。
バイマイルが向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 具体的な旅行予定がある | 使い道を決めずに買いたい |
| 発券したい特典席を確認している | 空席を検索していない |
| 日程や経路をある程度変更できる | 日程・直行便・航空会社を動かせない |
| 不足分だけ補いたい | 高いボーナス率だけで大量購入したい |
| 有償航空券との総額比較ができる | 燃油サーチャージや諸税を考えていない |
| 制度変更や失効リスクを受け入れられる | 購入後の価値が保証されると思っている |
| 海外サイトや外国語サポートへ対応できる | トラブル時の海外対応を避けたい |
最新のバイマイルセールを確認する
バイマイルのセールは、航空会社ごとに不定期で開催されます。
同じキャンペーンでも、会員ごとにボーナス率や割引率が異なる場合があります。記事に記載された最大値だけで判断せず、自分のアカウントへログインして表示条件を確認してください。
べぼろぐでは、現在開催中のキャンペーンや、購入単価、過去のセールとの違いを航空会社別に整理しています。
※セール期間、ボーナス率、購入上限、対象者は変更される場合があります。必ず自分の購入画面と公式条件をご確認ください。
バイマイルに関するよくある質問
バイマイルは危険ですか?
航空会社の公式購入ページを利用すること自体は、正規に用意されたサービスです。ただし、購入後の返金不可、特典席の消滅、制度変更、外貨決済、反映遅延などのリスクがあります。
非公式な業者や個人間売買は利用しない方が安全です。
バイマイルは必ずセール中に買うべきですか?
通常時より購入単価が下がることはありますが、セール中でも使い道がなければ買う必要はありません。
一方、発券に少額足りず、特典席がある場合は、通常価格で不足分だけ購入する方が合理的なこともあります。
1マイル何円ならお得ですか?
一律には決められません。
同じマイルでも、国内線エコノミー、国際線ビジネスクラス、ファーストクラスなど、使い道によって得られる価値が変わります。
購入単価だけでなく、税金・諸費用を含む総額と、実際に購入可能な有償航空券を比較してください。
ANA・JALマイルは買えますか?
2026年8月現在、海外航空会社のような一般的な直接購入制度はありません。
クレジットカード、提携ポイント、ホテルポイントなどを通じて増やす方法がありますが、バイマイルと同様に取得費用や移行条件の確認が必要です。
マイル購入後はすぐに発券できますか?
即時反映される場合もありますが、数時間から数日かかる場合もあります。
私はFlying Blueではすぐに反映されましたが、LifeMilesでは約33時間かかりました。過去の事例だけで即時反映を前提にしない方が安全です。
初心者におすすめのバイマイル先はどこですか?
すべての人に共通するおすすめはありません。
最初に行きたい場所と希望日を決め、その路線の特典航空券を予約できるプログラムを調べます。そのうえで、空席、必要マイル、諸税、購入単価を比較してください。
まとめ|バイマイルは買う前の確認が最も重要
バイマイルは、航空会社のマイルを現金で購入し、短期間で残高を増やせる仕組みです。
不足分を補ったり、高額なビジネスクラスやファーストクラスの特典航空券を発券したりする場面では、有効な選択肢になることがあります。
一方で、マイルを購入しても特典航空券の空席は保証されません。
- 希望便の空席
- 必要マイル数
- 税金・燃油サーチャージ
- 有償航空券の価格
- 購入マイルの反映時間
- 変更・払い戻し条件
- 発券できなかった場合の使い道
これらを確認したうえで、必要な分だけ購入するのが基本です。
「最大100%ボーナスだから買う」のではなく、「この航空券をこの総額で発券するために必要だから買う」という順番で考えると、失敗を減らせます。
最新のキャンペーンは、バイマイルセール一覧で随時更新しています。



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