「乗り継ぎでヘルシンキに2泊してから、パリへ行きたい」。特典航空券でも、そんな旅程を組めるのでしょうか。
答えは使うマイルと特典航空券の種類によります。途中の都市で長く滞在することを「ストップオーバー(途中降機)」と呼びます。JALマイルでも提携航空会社特典なら設定できる場合がありますが、ANAの自社便特典では日本発の旅程に設定できません。
この記事では、まず乗り継ぎとの違いを旅行例で説明し、JAL・ANA・Flying Blue・Aeroplanの現行ルールを比べます。2026年9月26日に公式サイトで確認した制度上の条件であり、例示した便の特典枠や実際の旅程が予約できることを保証するものではありません。
途中の都市に2泊する「ストップオーバー」とは?
例えば東京からヘルシンキを経由してパリへ向かう場合、ヘルシンキで数時間待って次の便に乗るなら通常の乗り継ぎです。そこで2泊して観光してからパリへ向かうなら、ストップオーバーに当たります。
| 旅程の形 | 旅行例 | ポイント |
|---|---|---|
| 乗り継ぎ | 東京 → ヘルシンキで数時間 → パリ | 途中都市に短時間滞在 |
| ストップオーバー | 東京 → ヘルシンキで2泊 → パリ | 最終目的地までの途中都市に長く滞在 |
| オープンジョー | 東京 → パリ、地上移動、ロンドン → 東京 | 往路の到着地と復路の出発地が異なる |

国際線の特典航空券では、24時間前後を境に乗り継ぎと途中降機を区別する制度が多くあります。ただしちょうど24時間の扱いは一律ではありません。JALのJMB提携航空会社特典とFlying Blueは「24時間以上」、ANAは「24時間を超える滞在」と案内しています。Aeroplanも24時間を超える接続をストップオーバーとして扱います。予約するプログラムの定義で判断しましょう。
また、2泊する都市を「目的地」として別々に片道航空券を発券する方法もあります。その場合は、このページでいう1つの特典旅程内のストップオーバーとは区別して比較してください。
JAL・ANA・海外マイルの途中降機を早見表で比較
| 発券に使うマイル・特典 | 途中都市での滞在 | 主な条件 |
|---|---|---|
| JALマイル:JAL国際線自社特典 | 実質的に活用しにくい | 片道ごとに国際線は1区間、日本国内の途中降機も不可 |
| JALマイル:提携航空会社特典 | 可能 | 旅程全体で最大3回。地上移動1回も途中降機に数える |
| ANAマイル:ANA国際線自社特典 | 条件付き | 片道旅程では途中降機不可。往復でも日本発は不可、海外発なら目的地以外に1回 |
| ANAマイル:提携航空会社特典 | 条件付き | 片道旅程では途中降機不可。往復なら目的地以外に1回 |
| Flying Blue | 可能 | 対象の2便の間で24時間以上。予約時はカスタマーサービスへ連絡 |
| Aeroplan | 可能 | 片道も対象。1方向1回、最大45日、追加5,000ポイント |
「JAL便に乗るか」「ANA便に乗るか」だけでは決まりません。どのプログラムで、どの特典として発券するかが先に決まります。空席、経由地、必要マイル数、諸税も別途確認が必要です。
JALマイル:自社便と提携航空会社特典は別ルール
JAL国際線自社特典は、途中都市での滞在向きではない
JAL国際線特典航空券は片道・往復で利用できますが、1特典につき片道の国際線は1区間、国内線は1区間まで。日本国内の経由地に24時間を超えて滞在することもできません。たとえばJAL自社便特典だけで「東京からヘルシンキに2泊し、そのままパリへ」という2つの国際線区間をつなぐ使い方は想定できません。JAL公式:JAL国際線特典航空券の利用条件
地上移動を含む往復旅程の規則はありますが、それを「経由地に何日も滞在できる制度」と取り違えないようにしてください。
JMB提携航空会社特典は最大3回
同じJALマイルでも、提携航空会社特典には旅程全体で最大3回の途中降機枠があります。JALの定義では、24時間を超える滞在または地上移動区間が途中降機です。地上移動は1回まで設定でき、滞在時間にかかわらず途中降機1回として数えます。飛行区間は原則最大6区間ですが、提携会社ごとに上限が異なります。片道旅程も認められています。JAL公式:JMB提携航空会社特典の利用条件
ヘルシンキを経由してパリへ行く例なら、まずその経由便を提携特典として組めるか、両区間の特典枠があるかを確認します。最大3回という数字だけで希望旅程が成立するわけではありません。
複数都市を周遊するならoneworld特典もある
JALのoneworld特典航空券では飛行区間は最大8区間、途中降機は最大7回。地上移動は1回までで、これも途中降機1回として数えます。日本発着の旅程では日本国内に途中降機できません。1つの旅行で複数都市を回りたい方向けの制度です。JAL公式:oneworld特典航空券の利用条件
ANAマイル:自社便と提携便、日本発と海外発で違う
ANA国際線自社特典:日本発の途中降機は不可
2025年6月24日以降に予約・発券するANA国際線特典航空券は片道でも利用できます。ただし片道旅程に途中降機は設定できません。往復旅程でも、日本発は途中降機不可。海外発の往復旅程であれば、目的地以外に1回認められます。ANAは途中降機を「24時間を超える滞在」と定義しています。ANA公式:ANA国際線特典航空券の利用条件
そのため、日本発の旅行で「ANA便に乗って途中都市にも2泊」を狙う場合、自社特典の途中降機枠は使えません。
ANA提携航空会社特典:往復なら途中降機1回
ANAマイルで提携航空会社の特典航空券を発券する場合、片道旅程で途中降機はできません。一方、往復旅程では日本発・海外発とも目的地以外に1回設定できます。途中降機は乗り継ぎ回数にも含まれます。公式には東京→バンコク→シンガポールの往復で、往路か復路のバンコクに途中降機する例があります。ANA公式:提携航空会社特典航空券の利用条件
ANAの公式ページには2025年6月23日以前の発券条件も併記されます。古い「片道特典は不可」などの記述を、現在の発券条件に当てはめないようにしてください。
Flying Blue:パリやアムステルダムでの滞在を検討
Flying Blueは、Air France、KLMまたは対象の提携航空会社が運航する2便の乗り継ぎ間に24時間以上のストップオーバーを含められると案内しています。ストップオーバー自体は無料と説明され、マイルまたはCash & Milesで支払う旅程が対象です。税金・サーチャージは別に支払います。公式が案内する申し込み方法は、ログイン後に表示される番号からカスタマーサービスへ連絡する方法です。Flying Blue公式:ストップオーバーの案内
例えば「東京→パリに数日滞在→ヨーロッパの別都市」を考えるなら、希望する両便の対象特典枠と、発券時に提示される必要マイル数・諸税を問い合わせて確認します。公式案内では片道への適用回数や最大滞在日数を一律に明記していないため、この記事では断定しません。
私はFlying Blueを使った特典航空券の発券・キャンセルを経験していますが、ここに挙げた途中降機旅程を実際に発券したわけではありません。プログラム全体の使い方はFlying Blueの使い方と発券の実体験で紹介しています。
Aeroplan:片道でも途中都市に滞在できる
Air CanadaのAeroplanは、国際線の特典航空券で1方向につき1回のストップオーバーを認めています。片道、往復、複数都市の旅程が対象です。2便の間が24時間を超える滞在が対象で、最長45日。通常の特典料金に1回あたり5,000 Aeroplanポイントを追加します。ウェブでは「Multi-city/Stopover」を選択し、電話予約も可能です。Air Canada公式:特典航空券とストップオーバー
対象外の都市に注意。紹介ページはカナダ・米国内を対象外と書いていますが、AeroplanのFlight Reward Policyにはカナダ・米国・中国国内では不可と明記されています。公式ページ間の表現に差があるため、予約時は正式規約に従って中国も対象外として扱ってください。さらに経路の可否や特典枠は個別に審査されます。
片道・オープンジョーとは何が違う?
片道発券は、往復を組まずに片方向だけ予約すること。ストップオーバーは、目的地に向かう途中の都市に長く滞在することです。両者は別の条件なので、Aeroplanのように片道特典に途中降機を追加できる制度もあれば、ANA提携特典のように片道では追加できない制度もあります。
オープンジョーは、たとえば東京→パリで入り、パリからロンドンへ地上移動して、ロンドン→東京で帰る形です。ヘルシンキで2泊してからパリへ飛ぶ旅程とは異なります。旅の組み方を考えるときは、まず「途中都市に泊まりたいのか」「別の都市から帰りたいのか」を分けると選びやすくなります。
発券前に確認したいこと
- マイルの発行元と特典の種類:JAL自社・JAL提携・ANA自社・ANA提携では条件が異なります。
- 両方の便の特典枠:ストップオーバーが可能な制度でも、希望日・希望クラスに枠がなければ組めません。
- 経路と費用:途中降機の追加ポイント、必要マイル数の計算、諸税・サーチャージ、地上移動を確かめます。「無料」は旅行全体が無料になる意味ではありません。
- 予約方法:Aeroplanはウェブの複数都市検索、Flying Blueは公式案内に従ってカスタマーサービスへ連絡します。JAL・ANAでは表示・発券できない旅程があるため、公式の予約画面で確認し、必要に応じて窓口へ相談します。
- 変更時の条件:日付変更や取り消しの扱いも、実際に発券したプログラムで確認します。特典航空券のキャンセル料・変更手数料比較も参考にしてください。
希望の日付が決まったら、特典航空券はいつから予約できるかの比較も確認しておくと、検索を始める時期を決めやすくなります。JAL運航便をJAL以外のマイルで発券する選択肢はJAL特典航空券を予約できる他社マイル一覧で整理しています。
よくある質問
乗り継ぎ地に1泊したら必ずストップオーバーですか?
必ずしもそうではありません。到着から次の便までの時間と、発券に使うプログラムの定義で判断します。夜に着いて翌朝に出発する1泊なら24時間以内の乗り継ぎに当たることがあります。
JALマイルなら途中都市に何日でも滞在できますか?
発券する特典によります。JAL自社の国際線特典は片道ごとの国際線区間に上限があります。提携特典には途中降機枠がありますが、経路、発券条件、航空券の有効期間、空席などの制限があります。
ANAマイルで日本発の途中降機はできますか?
ANA自社の国際線特典では、日本発の途中降機はできません。ANAマイルの提携航空会社特典なら、往復旅程で目的地以外に1回認められます。
片道特典でも途中降機できますか?
制度によります。Aeroplanは片道でも設定可能です。ANA自社・ANA提携の片道特典は設定できません。JAL提携特典は片道旅程が認められ、旅程全体の途中降機枠を持ちます。
Flying Blueの無料ストップオーバーなら追加の支払いはゼロですか?
いいえ。公式はストップオーバーを無料と案内していますが、税金・サーチャージの支払いは必要です。実際の旅程のマイル・現金総額は発券時に確認してください。
まとめ:まずは「途中に泊まりたい都市」を決める
途中の都市で観光したいなら、ストップオーバーを設定できる特典を探します。JALマイルは提携特典、ANAマイルは提携航空会社の往復特典が候補です。片道で組みたいならAeroplan、パリやアムステルダムを経由する旅ならFlying Blueも確認する価値があります。
私自身はJAL・ANA・Flying Blueなどの特典航空券でヨーロッパへ行っていますが、ストップオーバー旅程の発券実績はありません。この記事の例は制度を理解するためのモデルです。最後は希望便の空席と発券画面・窓口の提示条件で判断してください。


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